――西暦2732年。

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未知のウイルスと放射能で汚染された地球を人類が放棄してから

500年の歳月が経過したある日のこと。

星間飛行船＜パンドラ＞に生きる10万人の人類は、ついに新天地へと到達する。

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惑星＜エルピス＞

希望の女神の名を冠するその星は、人類の新たな母星となる。

はずだった。

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＜エルピス＞に住まう生命体よって＜パンドラ＞のワープ機構は破壊され、

和平交渉の使者は惨殺された。

＜エルピス＞に満ちていたのは希望ではなく、人類に対する敵意だったのだ。

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＜パンドラ＞に生きる青年将校、ユダは

今日も戦闘機に乗り込んで、＜エルピス＞の地表にうごめく生命体を撃ちぬいていく。

トリガーを引く指先に躊躇いはなく、希望を見つめる瞳に曇りはない。

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そんな彼の機体を、激しい攻撃が襲う。

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小さな操縦室に鳴り響く、けたたましい警告音。

重力に押しつぶされ、軋む体。

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​「墜ちる」

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そう認識した時には既に、彼は堕ちていた。

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痛む体を両手で抱いて、​信じてもいない神に祈る。

震える唇で、ありもしない罪を懺悔する。

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冷えきった彼の頬を撫でたのは、

星の色の髪を持つ、一人の少女だった。

 

彼らの物語は、ここから始まる。